筋肉トレーニング
先日、知人から手術後の後遺症の事について色々と聞かれた。なんでも、その知人の知人が頚部を切開して、私と同じような症状になったと言う。参考になるかどうか分からなかったけど、自分の経験と改善策を話した・・・けど、人それぞれ後遺症の原因は違うと思うし、私の言った事を実践して余計に悪化しないかと不安になる。まぁ、その知人には『整形外科』でしっかりと調べてもうらように言いましたけどね。
私のブログも、『後遺症』のキーワードで訪問される方が大勢います。術後2年半、筋トレ開始から15ヶ月経過した今の状態を、昔を振り返りながらまとめてみようと思います。
まずは、私の手術痕の状態をどうぞ。(術後一週間経過時)
写真が小さくて見にくいのですが、両鎖骨の中心から、右耳の下までサックリ切られています。赤い点のようなものは、ドレーンが入っていた痕です。術式は『甲状腺癌(乳頭癌)右葉切除、右頚部リンパ郭清、右胸鎖乳突筋一部切除』です。
手術後に、喉の痛みとひどい嗄声になったのですが、それは一時的なものでした。術後5日目くらいには痛みも楽になり、声もだんだんと普通に戻ってきました。ただし、声に関しては『経過観察』のカテゴリにある通りです。日によって(主に体調)によって随分と声質が変化してしまいます。これは2年半経過した今も変わっておりません。
後遺症で一番苦しかったのは、腕の挙上障害、肩の痛みとコリ、首の締付感でした。首の締付けに関しては『打つ手無し』が現状のようです。リンパを郭清した多くの方が、同じ悩みを抱えているようですね。特に、私のように胸鎖乳突筋を切除した方の締付感は、切っていない方よりも強く出る傾向にあるようです。締付感を和らげる方法は、手術直後から積極的に首を動かす(ストレッチ)方法が一番効果があるようです。ただ、ストレッチをしても完全に締付感が消えるわけではないようですが・・・締付感は時間の経過と共に薄れて行きます。私は今でも締付感はあります。しかし、特に気にならなくなっていますね。何て言うのでしょうか・・・身体が健康な状態(感覚)を忘れてしまって、常に締付けられているのが普通となってしまったからなのでしょう。慣れというのは恐ろしいものです(笑) ただ、体調の悪い時なんかに締付けが強くなることがあります。そうなると鬱陶しいですけどね。
次に肩と腕のお話です。
手術直後から腕が肩より上にあがらなかったのですが、これは手術後の一時的なものだと思っていました。術後一週間、二週間と経過しても状態は変わらず、一ヶ月経過したころには腕が上がらないばかりか、酷い肩コリと痛みも出ていました。筋肉の痛みは切除した胸鎖乳突筋から僧帽筋、広背筋にまで広がり、手を伸ばす、物を掴む等の普段当たり前に出来る動作が出来なくなってしまったのです。原因は何かと主治医と相談しましたが、主治医曰く
①大きな神経は温存している。(副神経、反回神経等)
②頚部は色々な神経が複雑に絡み合っているので、筋肉の動きを司る神経に触れてしまった可能性はある。また、それらの神経全てにダメージを与えないよう手術することは不可能である。
③神経のダメージが一時的なものか、永久的なものかどうかは分からない。
④筋肉への影響、痛みのコントロールは専門科である整形外科で調べてほしい。
とのことでした。主治医に相談すれば何とかなると思っていたので、話を聞いた時はショックでした。しかし、信頼できる主治医が隠し事をせずに言ってくれたわけですから、恨みや怒りは全然ありませんでした。それよりも、腕の良い整形外科の医師を探すことができるかどうか不安でした。
整形外科での詳しい診察が必要と判断した私は、肩、腕を専門に診ている先生がいる、総合病院の整形外科で治療を始めました。MRIやレントゲンから、肩の一部の筋肉が萎縮していることが分かりました。医師曰く、
①筋肉を動かす神経がダメージを受け、一部の筋肉が動かなくなってる。
②筋肉が動かなくなったことにより、動かない筋肉が萎縮してきている。
③腕が上がらないのは、腕を上げる筋肉が萎縮しているため。
④肩コリ、肩の痛みの原因は、胸鎖乳突筋の切除による可能性が高い。
⑤筋肉はそれぞれが複雑に絡み合っている。一部の筋肉が悪くなると、影響は全身に及んでいく。背中に痛みが広がっているのも、筋肉のバランスが崩れている為と思われる。
⑥筋肉の萎縮が進めば、骨の動きなどにも影響が出てくる。
結局、この診断から3ヶ月間に渡り、リハビリとなりました。リハビリの内容は軽い筋トレと、硬くなった筋肉を揉み解すといった内容のものです。週2回、1回1時間程度のリハビリを3ヶ月間続けたのです。
3ヵ月後、腕はそれなりに上がるようにはなりました。しかし、痛みは相変わらず残っているし、日常生活が普通にできるとは言い難い程度の回復だったのです。再度、整形の主治医と相談したところ、
①リハビリによる改善は、これ以上厳しいかもしれない。
②これからは対症療法を主とした方が良い。
とのことでした。腕が動かないのも困りますが、痛みがとれないのは辛すぎます。肩を少しでも動かして筋肉の萎縮を防ぎたいのですが、動かすと激痛が走り、それどころではないのです。そこで、次に頼ったのがペインクリニックのブロック注射でした。
しかし、このブロック注射も根本的な解決にはありませんでした。注射をしたところで、数日すると元に戻ってしまうのです。担当した医師も首を傾げていましたが、注射を打っても良化の気配が全くありませんでした。治療費も高いし、続けていく事に疑問を感じたので、ペインクリニックでの治療を諦めました。
次に試してみたのは東洋医学です。整体、針、灸、マッサージで痛みや筋肉の動きをコントロールできないかと考えたのですが、こちらも2ヶ月ほど続けて全く効果無し。それどころか、針を打つと首と肩のコリが逆に酷くなったような気がしました。ちなみにマッサージは肩より下しかしていません。頚部のマッサージは残っている癌細胞を刺激するかもという不安もありましたので・・・
最後の悪あがきで神経内科にも通ってみましたが、ろくな診察もせずに精神安定剤を出されたので、ブチ切れて帰ってきました。いきなり、強い安定剤出すなんて信じられない病院でしたよ・・・結構有名な病院だたのですが残念です。
やれることは全てやった。しかし痛みも消えなければ、腕も上がらない。八方塞でこれから先の不安を感じていた時に出会ったのが、ビーリーズ・ブートキャンプでした。腕も上がらないし痛みもあるので、そんなのまともに出来るわけない!と思ったのですが、どうせ何やってもダメだったんだから、もう壊れてもいいや!と半ばヤケクソで始めてみたのです。最初は激痛との闘いでした。動かすたびに泣きそうになりましたが、二週間くらい続けていくと、痛みがかなり消えているのに気が付きました。これが希望なり、俄然やる気が出てきました。それから毎日、1日も欠かさず筋トレを続けました。3ヵ月後痛みは消えて、腕もかなり上がるようになりました。手術後動かなくなった筋肉は、今も動きません。動かないというより、もう無くなってしまったのかも知れません。だけど、その周りの筋肉を鍛える事により、腕も上がるようになったし、痛みも消えたのです。弊害として、首の締め付けが若干強くなりましたが・・・
私のこの方法が全ての後遺症に有効とは思いませんが、辛さ痛みの先には希望があることは確かです。ちなみに今でもブートキャンプは続けています。15ヶ月続けた今、これ以上の良化は無理かも知れませんけどね。
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